相談堂 代表 薬剤師 中尾典義
ニキビやニキビ跡がない綺麗な肌でいたいというのは、何も女性だけではなく全ての方に共通するかと思います。
ニキビは一度治ったと思っても繰り返しやすく、またニキビを無理やり潰したりと間違った対処をしてしまいニキビ跡が治らなくなってしまったというお悩みもよくお聞きします。顔にできるニキビは鏡を見るたびに気になるし、背中にできるニキビは自己治療がしにくく、放置しているうちに化膿して強い痛みが出るようになったという方も多いです。
中には高額なお金を払ってレーザー治療やエステの施術を繰り返し受けても再発してしまうという方もいらっしゃいました。 それは、肌表面のケアだけでは「ニキビができてしまう根本原因」への対処にはなっていないからです!“肌は体内を映す鏡”とも言われます。スキンケアだけではなかなか解決しない肌トラブルは、自分の体を見直してみることで正しい対策方法が見えてきます。
そもそもニキビというのは、皮脂や汚れで詰まった毛穴に『アクネ菌』が繁殖することで発生します。 『アクネ菌』はもともと皮膚に生息している皮膚常在菌と呼ばれる細菌で、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が正常に行われていれば悪さをすることはありません。しかし、アクネ菌は【空気のない所で増殖しやすくなる】という性質があるため、毛穴が詰まって空気が送られなくなるとドンドン繁殖してニキビを形成します。
つまりは、
これらのことで、ニキビの発生率を減らすことがです。
ニキビの主な原因は以下3つです。
ホルモンバランスの乱れは男性ホルモンの量を増加させ、皮脂分泌を過剰にします。思春期は多く分泌されることで皮脂量が増えやすく、皮脂が過剰になりやすいです。過剰な皮脂によって毛穴がつまり、そこにアクネ菌が増え、炎症が起こり、赤み、かゆみなどが発生します。疲れ、ストレス、睡眠不足などはホルモンバランスの乱れに繋がります。ホルモンバランスは漢方薬で整えることもできます。 ニキビ用の漢方薬として、桂枝茯苓丸加ヨクイニンがあります。
甘い物、コンビニ食、ファーストフード、清涼飲料水などは脂肪分や糖分を過剰に摂取するので、血液中に脂肪分がたまりやすくなり、皮脂の材料になります。 また油分、糖分の多い食事は胃腸機能の低下、腸内環境の乱れに直結します。 特に腸は肌と繋がりが深く、働きが乱れることで肌にも影響がでやすくなります。 そのため腸の乳酸菌やビフィズス菌などの腸内環境を整える必要があります。腸やお肌に優しい栄養素がお勧めです。代表的なものはスピルリナです。
ニキビができるあまり、隠してしまおうと厚めのファンデーションを塗ったりすると 逆効果です。ニキビはアクネ菌の繁殖の仕業と考えると脂分が多く、毛穴をふさぐことは返って悪化の要因になります。
ニキビの薬は大きく分けて次の2種類に分別されます。
抗生物質の軟膏、ピーリングの軟膏が主です。
抗生物質とビタミン剤が普通使われます。
他保険適用外の治療もあり、ケミカルピーリング、レーザー治療、光治療、イオン導入などがあります。
アクネ菌を殺す抗生物質の内服の多用は、腸内環境を乱す恐れがあり、かえってニキビが出来やすくなる可能性があります。
つまり今できているニキビに対しては治療できるのですが、今後2度とニキビで悩みたくない方にとっては、根本的に体質を見直すべきでしょう。
ニキビ対策は肌を清潔に保っていただくこと、肌にあったスキンケア、紫外線対策、
脂肪分や糖分が少なめのバランスの良いお食事、質の良い睡眠、血行不良の改善、
下痢便秘など腸内環境の改善が重要です。
赤みや痛みなど症状がかなり強い場合は、まずは皮膚科での受診をおすすめいたします。
慢性化してしまい、皮膚科にいってもなかなかよくならない、生活習慣、お食事などに気を付けても改善しない場合は漢方薬をとりいれられるのも一つの手段と考えます。
スキンケアには、様々なコツがありますので、問合せをくださった方にはお伝え出来る事と思います。ポイントはニキビの常在菌のバランスをどう整えるか?です。
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記事監修:薬剤師 中尾典義
薬剤師免許取得。吉富製薬鞄結梃、究所研究員として従事。その後、病院の薬剤師として臨床経験を積む。1995年家業(薬局)を継ぎ榎屋相談薬舗叶ン立。現在では元NPO日本抗老化医学会実践指導士、(社)日本漢方連盟 漢方委員、ミスユニバースジャパン鹿児島認定漢方講師など多方面で活躍。
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